分け入っても分け入っても、選別の年
Vol. 116 5/28/04

今年のゴウ先生、今までやってきたことを次から次へとやめまくっている。歩く整理回収機構と呼んで欲しいくらいである。タバコに続いて、ラーメン、焼肉、酒、そして死ぬほど好きな趣味の一つであった囲碁までもやめた。

選別の年を地で行くゴウ先生なのである。

思えば、昨年の暮ゴウ先生は2004年という年に「選別の年」というフレーズを与えた。その理由はこうだ。

2004年は本格的な景気回復の年である。景気が良くなれば、そのあおりを受けて、ホンモノだけが選ばれる時がいよいよやって来る。ゆえに、2004年は真剣に自己研鑚を重ね、組織に貢献できる人物だけが最後に笑える年となる。

発言したのは11月のことであったから、それから半年。我ながらトレンドをすべて読み抜いたと驚く。

しかしそんな己惚れで満足しているわけにはいかない。6年目を迎えるINDECにも厳しい選別の年であることは間違いないからだ。

そこでゴウ先生は煙草を断つことから2004年を始めた。当然である。これだけ厳しい予測を立てている本人がノウノウと昨年と変わらぬ有様では、選別の年の緊張感など諸君に伝わらない。

煙草をやめたら何かご褒美がもらえるかと思ったら、さにあらず。2月の末、痛風の発症。病院に行けば、アルコール性肝炎、糖尿病境界型の宣告。そして、ラーメン、焼肉、酒をやめざるをえなくなった。次から次へと襲い掛かる冷酷な選別の年である。

師匠がこんな有様なのだ。弟子もあおりを食う。幾人かの諸君は、納得のいかない人事異動を受け、INDECを去らねばならない羽目になった。

ああ、選別の年の厳しさである。これからもまだまだ予断は許さない!

それでは、その選別の年を乗り切るにはどうすればよいか?諸君は聞きたがる。答がないわけではない。しかしその答はある意味残酷なものだ。

どんな結果であれ、まずはその現実を受け入れよ!

これが答だ。改善の道は――あるのであれば――受容の後に訪れる。もちろん、もろもろの都合からINDECを離れることになった諸君は、改善の道をゴウ先生とともに歩むわけにはいかない。一人でもしくは他のだれかと歩むことになる。それでもその厳しい現実を素直に受け入れるしか、今年を乗り切る術はないと知ってほしい。拒絶からは何も生まれない。

それではどうして負の選別を受ける結果になったのか?

ある人物に対する評価は、一朝一夕にできあがるものではない。ゆえに、今年いろいろなトラブルと遭遇している諸君は昨年あるいはそれ以前からのツケが回り出していると考えてもらわねばならない。

分かりやすい例がゴウ先生である。

上記したゴウ先生の生活習慣病は、1年やそこらでできあがったものではない。5年から10年かけてできあがった疾患なのである。それが今年の2月に集中して発症しただけのことなのだ。

そこでゴウ先生はどうした。その現実を拒絶はしなかった。ショックを受けつつも、現実を受け入れた。そして考えた。原因はどこにあるのか、と。その答が、それまでの生活習慣を大幅に変え、体重を落とすことであった。ドツボから抜け出した。

もちろん、一気にいいことが起こるはずはない。ゴウ先生の病気は長年の甘えた生活習慣が引き起こした疾患なのだから、少しずつ快方に向ってくれればそれ以上望むことはない。焦ってはならないのだ。前回のミニ・エッセイで書いたように、いまは9月を目途に体脂肪率10%をめざすだけである。そうすれば、秋からの運気の上昇に合わせて、バイオリズムも好転し、すべての疾患が改善されると確信している。

その過程で、一見病気と関係のない囲碁を打つことすら休むことにした。ご存知の通り、ゴウ先生は多趣味の男であり、その中核に碁を打つことがあった。失敗をしない方が勝つという21世紀型ビジネスの典型として、このゲームを推奨したことも一度や二度ではない。このゲーム自体が体に悪いわけでもない。それでもやめた。

理由は簡単だ。時間が惜しくなった。

碁は実に面白いゲームだが、強くなるためにはそれだけの時間とエネルギーを費やさねばならない。しかしいまは闘病生活の真っ最中である。コンピュータの前でインターネット碁を楽しむ時間があるのなら、外を散歩した方がよい。

そこで泣く泣く碁を打つのをやめた。もう一ヶ月前のことである。

もちろん、完全に囲碁から足を洗ったつもりはない。いまでも週に一度NHK教育で放送されるNHK杯囲碁トーナメントの対局の観戦は、日曜の夜に仕事後のストレス解消のために役立っている。囲碁に関する雑誌や本をめくることもある。いずれ時間と体調が許すようになれば、実際に対局するようにもなるだろう。

ゆえに、悲壮感などどこにもない。いつもゴウ先生が言っている「複線の生き方」を実行しているだけだ。つまり囲碁対局という線路から散歩という線路に乗り換えただけのこと。囲碁対局という線路を廃線にする予定はいまのところないのだから、必要以上に寂しがることもない。

ここまでのところを理解してくれたならば、こうした考え方がゴウ先生の「プライオリティの法則」に基づいていると気づいてくれたら嬉しい。この法則とは、自分の目的に合わせて、その時走る線路の優先順位を決めることである。したがって、ゴウ先生の場合、仕事がプライマリー・タスクであるとすれば、闘病がセカンダリーであり、その他のことはターシャリー以下にしてしまっているだけのことなのだ。

しかし、健康でなければ、仕事の生産性は上がらないから、上記のプライマリー・タスクとセカンダリー・タスクの順位はひっくり返ってもおかしくない。ゆえに、散歩やジム・ワークそして食事に細心の注意を払っているのである。

そんな風に自分の行動にきちんとした理由をつけ、偶発的要因を除外していけば、未来を予測することは決して難しいことではない。選別の年を乗り切ることも可能となる。

ゴウ先生がこれほどの病気を抱え、INDECの経営に大きなトラブルを抱えていても、へこむことなく未来を見据えているのは、普段ゴウ先生が語っていることを実践しているからなのだ。

いやむしろ「INDECは危機を脱した」と過去形で語りたくなるくらいの確信に満ち溢れているのである!

INDECの経営に関していえば、創立以来、危機は幾度となく訪れた。それが今日まで保っているのは、ひとえに会員諸君のご尽力による。つまり、このINDECという組織ならびにゴウ先生からの直接指導というものを必要だと感じてくれる需要が絶えなかったから、いまもINDECは存在しているということである。

ゴウ先生は、乞食でもないしボランティアでもない。いくばくかの会費を頂戴して、それに見合った、あるいはそれを越えたサービスを提供することを旨としている。あくまで需要と供給の市場経済の中で生きているつもりなのである。ゆえに、INDECにおける自己研鑚を青春の一ページに刻み付けようとしてくれる諸君は、尊いお客様である。

と同時に、ゴウ先生が提唱する「世界の知識人と伍して戦うパワーエリートの育成」を理念に掲げるINDECへと新入会員を紹介して来てくれた多くの会員は、まさしく同志でもある。

したがって、INDECを潰すも栄えさせてくれるのも、諸君以外の何者でもないということになる。その諸君からの期待感に応えるために、ゴウ先生は、日々戦っているのだ。

ゴウ先生は、INDECを潰す気は毛頭ない。まだまだINDECの理念は実現していないのだから、ここで諦めるつもりはないのだ。選別の年というフレーズで諸君に警告を与えた本人が、負の選別を受け続けるようでは、笑うに笑えないではないか。

狙うは、INDECが正の選別を受けることである。ゆえに、健康管理を厳しくし、自らに喝を入れ、諸君の力になろうとしているのである。一人でもINDECの理念に賛同してくれる諸君がいてくれる限り、ゴウ先生は諦めない。

様々なトラブルを撥ね返してきたゴウ先生だ。更なる試練が己を強くすると信じるゴウ先生は、更なるトラブルすらも期待する。そんなプラス思考の権化のゴウ先生をしゅぶり尽くすがよい。諸君にしゃぶられ尽くしたのならば、ゴウ先生も本望である。そんな思いを胸に、今日も明日も明後日もゴウ先生は戦い続ける。よろしいか!

次へ